Skip to content

Latest commit

 

History

History
2242 lines (1162 loc) · 149 KB

index.md

File metadata and controls

2242 lines (1162 loc) · 149 KB

UXデザイン用語集

このサイトについて

UXデザインにおける諸々の専門用語を集めた用語集です(全193語)。代表的なUXデザイン手法のみをカバーしています。デジタル行動観察のような最新の手法は収録されておりません。悪しからずご容赦願います。

最終更新

2024.9.19

本件問い合わせ先

Akihiro MORIYAMA (https://akihiro-moriyama.github.io/)

英数字

3ポイントタスク分析

認知的ウォークスルーの派生的手法。評価対象とするユーザータスクの1手順ごとに認知・判断・操作の3つの視点から使いやすさに関する問題点を探すユーザビリティ評価手法

note:ユーザビリティ評価はユーザータスク単位で行うことを基本とする。「使いやすさとは目標達成しやすさのことであり、目標とはユーザータスクのことである」という考え方に基づく

4コマシナリオ

シナリオを4コマ漫画の形に要約したもの

note:(関連語)ストーリーボード

9コマシナリオ

シナリオを9コマ漫画の形に要約したもの

note:(関連語)ストーリーボード

AIDMA

消費者の購買行動を「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」 「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5つのステージで模式化したもの

note:(関連語)行動設計行動モデル行為の7段階理論認知サイクルフォグの消費行動モデルAIDMA行動変容ステージモデル結果期待感自己効力感

As-Isマップ

カスタマージャーニーマップ

CI/CD

CI/CDパイプライン

CI/CDパイプライン

アジャイル開発の用語で、開発者によるコード修正作業から動作確認テスト、システム本体への反映を経て実利用環境でのシステム更新にいたる工程を自動化する開発運用手法

note:CI/CDパイプラインが完全自動化された場合、ユーザビリティ評価の工程は存在しなくなり、現行ユーザーからの苦情やデジタル行動観察システムの観察結果がユーザビリティ評価の代わりとなる

note:CI/CDは「Continuous Integration / Continuous Delivery (継続的インテグレーションおよび継続的デリバリー)」の略

demographics

基本属性

DX

デジタルトランスフォーメーション

EASTフレームワーク

ナッジを体系的に行政施策に取り入れるためにつくられたフレームワーク。11のナッジテクニックをEasy, Attractive, Social, Timelyの4つに分類し、人間の行動変容の過程に応じてテクニックを使い分けることを推奨している

note:EASTフレームワークにおけるナッジテクニックの分類 Easy(行動をしやすくする)  E-1:デフォルト機能の活用  E-2:面倒な要因の減少  E-3:メッセージの単純化 Attractive(注意をひく)  A-1:関心をひく  A-2:インセンティブ設計 Social(周囲の影響を受ける)  S-1:社会的規範の提示  S-2:ネットワークの力の活用  S-3:周囲へ公言させる Timely(タイムリーに介入)  T-1:介入のタイミング  T-2:現在バイアスを考慮  T-3:対処方針を事前に計画

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

feature

フィーチャー

GOMSモデル

人間行動を模式化する手法のひとつ。ユーザータスクを所要時間の推定が可能な微小な行為要素の連続として表現する。GOMSモデルによりユーザータスクの所要時間を推定できる

note:たとえばパソコン操作関連では「カーソル移動=1.1秒」「マウスクリック=0.2秒」等と行為要素の所要時間が推定されている

note:GOMSモデルで推定される所要時間は、熟練者が操作に迷うことなしにタスクを実行した場合の値である

note:GOMSとは、Goals(目標), Operators(行為), Methods(方法), Selection rules(方法選択規則) の略

GOMS-KLM

GOMSモデルのひとつ。キーボードとマウスを用いる操作についてのGOMSモデル

note:たとえばパソコン操作関連では「カーソル移動=1.1秒」「マウスクリック=0.2秒」等と所要時間が推定されている

note:GOMSモデルで推定される所要時間は、熟練者が操作に迷うことなしにタスクを実行した場合の値である。

note:GOMS-KLMとは、「GOMS Keystroke Level Model」の略

HAI

人間中心型AI

hallway usability testing

廊下テスト

HCAI

人間中心型AI

HCD

人間中心設計

human-centred design

人間中心設計

IA

情報アーキテクチャ

ISO 9001

品質マネジメントシステムの国際規格。顧客満足を実現するために、製品サービスの開発プロセスの明文化と定期的見直しを行うことを主な特徴とする

note:ISO 9001が定義しているのは「開発プロセスを管理するためのプロセス」であり、開発プロセスそのものではない

note:顧客満足を実現するための開発プロセスは、ISO 9001の下位規格であるISO 9241-210(人間工学-インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス)で定義されている

Jobs-To-Be-Done

ジョブ

KJ法

断片的なデータを類似性のあるもの同士でグループ化し、さらにグループ同士の関係性を図解することで課題解決案の誘発につなげる、アイデア発想法

PoC

概念実証

Proof of Concept

概念実証

SFプロトタイピング

将来の技術革新によって実現し得る理想社会の姿や、技術革新の弊害として生じ得る暗黒社会の姿をSF小説として表現する作業、またはその手法

note:SFプロトタイピングで作成した小説はコンセプトテストの評価対象物として用いる

note:SFプロトタイピングと呼ばれているが、SF的な超技術は作劇上の必須条件ではない。社会変容の原因になり得るものであれば既存の技術でも良い。また架空の非技術的要因(たとえば伝染病の世界的流行)を社会変容の原因として作劇しても良い

note:(関連語)理想シナリオ

STP分析

マーケティングの用語で、市場において自社の優位性を発揮できる立ち位置を探す作業

To-Beマップ

理想シナリオカスタマージャーニーマップの形で表現したもの

UI

ユーザーインターフェース

UI設計要素

UI要素

UI/UX

UIデザイン業務とUXデザイン業務の兼務

note:UXとUIは別の概念である。UIの改善は、良いUXの実現という目的を達成する手段のひとつに過ぎない

note:UIの良否はUXの良否に強い影響を与えるため、良いUXの実現のためにまずUIの改善から行うことが主流となり、UI/UXという言葉が生じた

note:UI以外の要素もUXの良否に影響を与えることに注意。機能の欠落や性能の不足もまたUXの良否に強い影響を与える

UI要素

ユーザーインターフェースを構成する要素の総称。ウィンドウ、ボタン、テキストフィールド、チェックボックス、ラジオボタン、等

UIデザイン案

UIデザインスケッチ

UIデザインスケッチ

UIデザインについてのアイデアを図で大まかに描写したもの

UIデザインパターン

使いやすいUIを実現するためのデザインノウハウを再利用しやすいように類型化したもの

user-centered design

ユーザー中心設計

User Experience

UX

User Interface

ユーザーインターフェース

UX

製品サービスの使用に関する体験

note:UXとUIは別の概念である。UIの改善は、良いUXの実現という目的を達成する手段のひとつに過ぎない

note:UXと使いやすさは別の概念である。使いやすさ(正確にいえば使いやすいという心象)はUXの一部に過ぎない

UXデザイン

まずユーザーに提供したい体験を定め、その手段として製品サービスを設計する、ものづくりの方法論

note:UXデザインは、下記4つの業務を既存の制作工程に追加することで実践される。あくまでも追加であり大幅に制作工程が変わるわけではない。 「ペルソナ/シナリオ法」によるユーザー要求の定義 「ユーザー調査」による深いユーザー理解 「ユーザビリティ評価」によるUX品質の評価 「反復の原則」の実践

note:UXデザインでいう体験とは、一般的には利用前→利用中→利用後→繰り返し利用後にわたる長時間の体験を指すが、ごく短時間の断片的な体験だけに着目する場合もある

note:サービス提供側が己に都合の良い方向にユーザーの心理や行動を誘導する目的でUXをデザインする場合がある

あ行

アウトカム

マーケティングの用語で、製品サービスがユーザーにもたらす良い変化

note:「価値」という言葉を「アウトカム (製品サービスがユーザーにもたらす良い変化)」の意味で使うことがある。たとえば「本質的顧客価値」という言い回しにおいて「価値」とはアウトカムのことである

note:UXデザインでは、ユーザーに提供したい理想的な体験がアウトカムに相当する

アクセシビリティ

高齢者、身障者、他、多様な特性を持った人々にとっての製品サービスの利用のしやすさ

note:ユーザビリティが想定ユーザーにとっての使いやすさを重視した結果、想定ユーザーから外れた高齢者や身障者にとってまったく使えない製品サービスが登場したことへの反省が、現在のアクセシビリティ重視につながっている

アクター

システム工学の用語で、システムと相互作用する人物、組織、または外部システム

note:ひとくちにユーザーといっても実際にはシステムとの関わり方の違いによってユーザーは多様に分類され、さらには人間でない別システムがシステムを利用することもある。ユーザーが多様であることを強調するため、システム工学ではユーザーの代用語として「アクター」を用いる

note:(関連語)ペルソナユーザーロール

アクティビティ記述

構造化された理想シナリオにおける、ユーザーに提供したい理想的な体験についての記述

note:(関連語)ユーザーゴール記述インタラクション記述

アクティングアウト

ユーザーが製品サービスを使用する様を寸劇として演じることで、ユーザーの体験を擬似体験すること。頭の中でイメージするだけでは意識できなかったユーザーの行動や心理についての気づきを得ることを目的とする

アジャイル開発

システムの開発工程(要件定義・設計・実装・評価・運用)を機能単位で行い1週間毎〜1ヶ月毎の短い周期で繰り返しシステムをリリースすることで、工期の短縮と仕様変更への柔軟な対応を可能とする、システム開発の方法論

アジャイルユーザーテスト

ユーザーテスト手法に短納期低コストで実施する工夫を盛り込んだ派生的手法

note:アジャイルユーザーテストの名前は「アジャイル開発」に由来する。アジャイル開発では1週間毎〜1ヶ月毎の短い周期で繰り返しシステムをリリースすることから、アジャイル開発の開発周期に合わせてユーザーテストを行うためにアジャイルユーザーテスト手法が開発された

アナロジー

わかりやすさを向上させるデザインテクニックのひとつ。システムの意味や操作方法を直感的に理解させるため、類似した既存の概念にたとえて伝える手法

note:たとえば、パソコンの「フォルダ」というUI要素は、人間には理解し難いパソコンのファイルシステムを理解しやすくするためにアナロジー手法を用いた事例である

note:(関連語)アナロジー、シグニフィア制約フィードバックマッピング

アフォーダンス

シグニフィア

アンケート

あらかじめ用意された質問について多数の人に回答してもらい、それを集計して資料化するユーザー調査手法

イテレーション

アジャイル開発の用語で、システムの開発工程(要件定義・設計・実装・評価・運用)を機能単位で行い1週間毎〜1ヶ月毎の短い周期で繰り返しシステムをリリースすること、またはその開発周期

イノベーション

革新的な手法や技術で社会や顧客の課題を解決し、新たな価値を生み出すこと

インクルーシブデザイン

誰もが排除されない社会を実現するための製品サービスを目指した設計

note:インクルーシブデザインの「インクルーシブ」は「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」に由来する。社会的包摂とは、障害者や外国人などの少数派が排除されない社会を目指す政治的理念のこと

note:インクルーシブデザインは障害者専用の製品サービスの開発も対象とする。他方、類似の概念であるユニバーサルデザインでは可能な限り万人が使える製品サービスを目指す。ただし、どちらの理念を採用しても結果として同じものが完成することはあり得る

note:インクルーシブデザインでは、開発工程における排除当事者の関与(ユーザー関与)が必須とされる。他方、類似の概念であるユニバーサルデザインユーザー関与を必須としない。ただし、どちらの理念を採用しても結果として同じものが完成することはあり得る

インサイト

マーケティングの用語で、消費者本人には自覚のない、消費者の経済行動の動機や根拠

note:(関連語)行動インサイト

インタビュー

<1>ユーザーと対面して質問することで、ユーザーの過去/現在の体験利用文脈を把握するユーザー調査手法 <2>「ユーザーテスト(user testing)」の代用語。ユーザーテストという言葉が人体実験を連想させるためユーザーの前では使用を避ける

インタラクション

対話的操作

インタラクティブシステム

対話的操作を採用したシステム

インタラクティブな操作

対話的操作

インタラクション記述

構造化された理想シナリオにおける、ユーザータスクの具体的手順およびシステム側の反応の記述

note:UXデザインにおいては、ユーザータスクおよびインタラクション記述は理想シナリオ(アクティビティ記述)の描写から考察して得る

note:UXデザインにおけるユーザータスク (およびそれに付随するインタラクション記述)は、システム工学におけるユースケースと同じものとみなして扱うことができる

note:(関連語)ユーザーゴール記述アクティビティ記述

絵コンテ

ストーリーボード

エピック

アジャイル開発の用語で、複数のユーザーストーリーに分割可能な、大きなユーザーストーリー

note:例えば「iPhoneからシステムを利用する」「Androidからシステムを利用する」はひとつのエピック「モバイル対応」としてまとめることができる

note:複数のエピックに分割可能な大枠的なユーザーストーリーを「イニシアチブ」と呼ぶことがある

note:エピック(epic)の本来の意味は「叙事詩(歴史的事件や英雄伝説を語る長編の詩)」

エンパシー(共感)

価値観や置かれた状況の異なる他者を理解しようとする態度

note:エンパシー(共感)は「情動的共感」「認知的共感」の2つの要素で成り立っている。情動的共感は他者の感情を我が事のように感じることであり、認知的共感は他者の立場に立って物事を考えることを指す

か行

概念実証

マーケティングおよびシステム工学の用語で、ある概念やアイデアの実現可能性を試作物によって検証する作業

note:実現可能性には3種類ある。 技術的実現可能性=技術的に可能か否か 経済的実現可能性=充分な費用対効果を得られるか否か 社会的実現可能性=消費者や社会に受け入れられるか否か

note:(関連語)コンセプトテストプロトタイピング

概念モデル

メンタルモデル

学習

心理学の用語で、経験を通じて人(または動物)の行動が環境に適用するよう変容すること

note:(関連語)習慣組織学習

可視性

ノーマンの提唱した、使いやすさに優れたシステムが備えるべき特性のひとつ。「目で見ることによってユーザーはシステムの状態とそこでどんな行為をとりうるかを知ることができる」システムが良いシステムだとした

note: (関連語)ノーマンのよいデザインの原則シグニフィア

カスタマージャーニーマップ

典型的なユーザー体験(行動・状況・心理)をフローチャート風に表現したもの、またはその手法

note:(関連語)To-Beマップ

note:典型的なユーザー体験は、ユーザー調査によって明らかにする。仮説としてユーザー調査なしにカスタマージャーニーマップを作る場合もあるが、その場合であっても仮説検証のためのユーザー調査を後日行う

note:カスタマージャーニーマップと現状シナリオとは、表現方法が異なるだけで、どちらも典型的なユーザー体験を表現している

価値

<1>ある事物が人間に与える満足の度合い <2>(「アウトカム」の代用語として)製品サービスがユーザーにもたらす良い変化

note:「価値」という言葉を「アウトカム (製品サービスがユーザーにもたらす良い変化)」の意味で使うことがある。たとえば「本質的顧客価値」という言い回しにおいて「価値」とはアウトカムのことである

価値観

何に価値があると認めるかに関する考え方

note:ニーズは現実と理想のギャップが解消した時点で消失するが、価値観はニーズ消失後もユーザーの内心に残り続け、理想的状態とはなにかを決める指針となる

価値マップ

ユーザーの抱える価値観の相関関係を図示したもの

カラーユニバーサルデザイン

人間の色覚の多様性に対応し、より多くの人に利用しやすい配色を行った製品や施設・建築物、サービス、情報を提供するという考え方(NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構による定義)

note:(関連語)ユニバーサルデザイン

観察

ユーザーの仕事や生活の様子を観察することで、ユーザーの過去/現在の体験利用文脈を把握するユーザー調査手法

note:観察を行う際は、仮説検証を目的としない。仮にユーザーの仕事や生活の様子に関する仮説が事前に用意されていた場合であっても、仮説検証は観察後の分析作業にて行い、観察中は観察事実の記録を最優先する

note:観察を行う際は、極端なユーザー(ヘビーユーザーや設計想定外の目的で製品サービスを利用するユーザー)に着目すると、新たな気づきを得やすい

逆ピラミッド構成

「最も伝える価値のある情報(すなわち5W1H)→重要な詳細→雑多な情報や背景情報」の順に記述する文章構成

note:新聞記事が逆ピラミッド構成の典型である。物語の典型的な文章構成である「起承転結」は、全文を読まないと文章の趣旨を理解できない欠点があり、新聞記事に相応しくないとされる

note:新聞記事の基本的な文章構成は「見出し(記事表題)→リード(第一段落)→本文(第二段落以降)」である。見出しはリードの要約であり、リードは本文の要約である。ただし見出しについては、読者の関心を引くためにわざと5W1Hの不明確な文章とすることがある

note:逆ピラミッド構成はウェブコンテンツや取扱説明書にも通用する普遍的な文章構成である

note:ウェブコンテンツに逆ピラミッド構成を適用した場合、スクロール作業の手間なしに価値のある情報を読めるという利点がある

機能要求

システム又はシステムの構成要素が実行できなければならない機能を指定する要求(JIS X 25000の定義)

note:要求要件も英語ではrequirementである。日本語では「要求=ユーザーの要求したもの」「要件=設計者が技術的合理性を勘案して要求を再定義したもの」の意味合いで使い分ける

note:UXデザインでは、ユーザー要求理想シナリオの記述から考察して得る。ユーザー調査結果から直接得るものではない。

note:(関連語)非機能要求ユーザー要求

基本属性

ユーザーの特徴を構成する要素のうちの基本的なもの。年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成、等

強化

心理学の用語で、刺激によって行動の発生頻度が増えること(例:テストの成績を褒めるとさらに勉強するようになる)

note:行動の発生頻度を増やす刺激のことを強化子と呼ぶ。「報酬を与える」「褒める」などが典型的な強化子である

note:結果として行動の発生頻度が増えない刺激は強化子ではない。なにが強化子になり得るかは対象者によって異なる

note:(関連語)弱化

共感

エンパシー

共感図法

ユーザー調査結果を断片的なデータに分解し、思考・行動・発言といったカテゴリに沿って分類することで、典型的なユーザーの人物像を明らかにする分析手法

共創

ユーザーの協力を得てユーザーの内心に潜む本質的ニーズを発見し、本質的ニーズを満たす製品サービスを開発する活動

note:「共創」は人間中心設計における「ユーザー関与」とほぼ同じ意味であるが、「共創」はイノベーションの実現を目的とした活動であることを強調するために用いることが多い

協力者

「被験者(human subject)」の代用語。被験者という言葉が人体実験を連想させるためユーザーの前では使用を避ける

note:(関連語)ユーザー調査ユーザーテスト

クオリア

哲学の用語で、物理現象として説明できない、主観的現象としての質

note:哲学を論じる以外の場合においては、物理的性質だけが質ではないという考えを強調する際に用いる

note:たとえば、「電磁波としての赤色光」「赤いものを見た時の人間の脳神経組織の化学的電気的変化」という物理現象は測定可能である。しかしそれらを測定したところで、「赤いものを見た時に人間の内心に生じる印象の総体としての赤」を説明したことにはならない

note:品質管理の用語「感性品質」とは異なる。品質管理には必ず品質特性値の測定が伴い、感性品質の特性値もアンケート調査で統計学的に測定される。しかし仮にアンケート回答者の大多数が「美味しい」と回答したとして、アンケート回答者一人一人の内心にある「その食品を食べた時に感じた美味しさ」というクオリアが全員同一である保証は全くない

ゲーミフィケーション

ゲーム的楽しさを代替報酬に用いることで行動変容を促す試み

note:たとえば「プログラムのバグチェック作業をゲームになぞらえ、発見者にポイントを与え、かつチーム対抗戦として得点を競わせる試み」「スマホ依存症対策として、スマホを使わない時間の長さに応じて特典を与える監視アプリ」等が該当する

note:実際のゲームと同様、何を楽しいと感じるかはユーザーの気質によって異なる。ユーザーの気質に合わせたゲーム的楽しさの提供が必要である

結果期待感

行動すべきか否かを判断する状況において、その行動には成し遂げる価値があると信じること、またはその信じる度合い

note:「結果期待感 (その行動には成し遂げる価値があると信じる度合い)」「自己効力感 (自分にはその行動を成し遂げる能力があると信じる度合い)」の両方が高まることで、人は積極的に行動するようになる

note:(関連語)自己効力感

現行ユーザー

現行の製品サービスを利用中の人物

note:UX(ユーザー体験)の「ユーザー」とは、現行ユーザー想定ユーザーステークホルダーの総称である

現状シナリオ

典型的なユーザー体験(行動・状況・心理)を短編小説風に表現したもの、またはその手法

note:(関連語)理想シナリオ

note:典型的なユーザーの体験は、ユーザー調査結果を元に特徴分析を行うことで明らかにする。仮説としてユーザー調査なしに現状シナリオを作る場合もあるが、その場合であっても仮説検証のためのユーザー調査を後日行う

note:典型的なユーザーの特徴を100%身につけた個人は確率的に存在し得ないといって良い。単なる思い込みで特定の個人や少数の人物を典型だと見なすと事実を誤認する

note:カスタマージャーニーマップと現状シナリオとは、表現方法が異なるだけで、どちらも典型的なユーザー体験を表現している

note:現状シナリオは、特徴分析の結果をわかりやすく表現したものである。正確性を確保するためにはユーザー調査報告書が別途必要である

行為の7段階理論

人間の行為は、<1>ゴールの形成<2>意図の形成<3>行為の詳細化<4>行為の実行<5>状況の知覚<6>状況の解釈<7>結果の評価、の7段階の思考プロセスを経るとする理論。

note:日本の自動車教習所では、同理論を簡略化したものを「運転行動の3要素」(認知・判断・操作)として教えている

note:(関連語)行動設計行動モデル行為の7段階理論認知サイクルフォグの消費行動モデルAIDMA行動変容ステージモデル結果期待感自己効力感

広告医学

医療コミュニケーションに広告テクニックを応用することで人間の行動を変容し、医療問題の解決を目指す学問

note:広告医学は、ナッジと同様に、人間の心理的特性を利用して命令や強制なしに人間の行動をコントロールするものであるが、ここでいう医療コミュニケーションは保健指導や学校教育にとどまらず、ウェラブルデバイスや病院の空間デザインなども含む

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

構造化

構造化インタビュー →理想シナリオの構造化

構造化インタビュー

対面で行うアンケート調査

行動インサイト

行動経済学の用語で、本人には自覚のない、人の行動の動機や根拠

note:インサイトの本来の意味は「洞察」だが、マーケティング用語としては「消費者本人には自覚のない、消費者の経済行動の動機や根拠」を指す。「行動インサイト」という言葉は、消費者の経済行動に限った話ではないことを強調するために用いる

行動経済学

観察で得た心理学的事実を組み込んだ新しい経済学的モデルの構築を目的とする学問

note:行動経済学は人間の経済行動を予測するために生まれた学問であるが、その研究成果は企業が消費者の経済行動をコントロール可能であることを示唆していたため、発表当時大きな反響を呼んだ

note:たとえば、人間は損失懸念を過大評価して利益期待を過小評価する傾向がある。この結果、人間は「100円の商品に100円支払うのは損だ」といった非合理的な判断に陥ることがある。「返品OK」というセールストークが魅力的に感じられるのはこの傾向のせいである

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

行動設計

行動デザイン

行動中心設計

セガエックスディーの提唱する行動変容の方法論。UX(ユーザー体験)を「無意識的な瞬間UX」「意識的な瞬間UX」「習慣UX」に分け、瞬間UX(行動を誘発するUX)だけでなく習慣UX(行動の習慣化を促すUX)を提供することで行動の習慣化を実現する

note:セガエックスディーでは、優れた習慣UXを実現するにはゲーミフィケーション(ゲーム的楽しさの提供)が有効だとしている

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

行動デザイン

<1>行動促進要因の提供と行動阻害要因の解消により、行動の変容を促し、問題の解決を図る活動<2>「ナッジ」の代用語

note:「行動デザイン」は区分4における株式会社博報堂の登録商標、および区分1における一般社団法人アイリーニ・ユニバーシティの登録商標

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

行動変容ステージモデル

心理学の用語で、人が行動を変えるに至るまでの心理や態度の変化を「無関心期」「関心期」「準備期」「実行期」「維持期」の5つのステージで模式化したもの

note:行動変容を促すには、各ステージごとに異なる働きかけが必要とされる

note:(関連語)行動設計行動モデル行為の7段階理論認知サイクルフォグの消費行動モデルAIDMA行動変容ステージモデル結果期待感自己効力感

行動モデル

人が行動を起こすに至る、または行動を変容するに至る心理的身体的な機序を模式化したもの

note:(関連語)行動設計行動モデル行為の7段階理論認知サイクルフォグの消費行動モデルAIDMA行動変容ステージモデル結果期待感自己効力感

五感刺激

行動を誘発するテクニックのひとつ。嗅覚や聴覚への刺激によって過去の心地よい体験の記憶を思い出させる手法

note:たとえば古典的事例として、鰻屋は蒲焼を焼く煙を通行人にかがせ、蒲焼の美味しさの記憶を思い出させることで、集客につなげている

顧客価値

製品サービスの使用に関する体験を通じて顧客の得る価値

note:顧客が価値と認識するものだけが顧客価値である

note:顧客価値の大小は顧客の内心の評価基準でしか計れない

コンセプト

商品コンセプト

コンセプトの3要素

商品コンセプトの3要素

コンセプトテスト

理想シナリオストーリーボードを消費者に見せて印象や期待度を聞くことで、商品企画の良否を評価するユーザビリティ評価手法

コンセプトボード

シナリオと挿絵を紙1枚で要約したもの

note:(関連語)ストーリーボード

さ行

サービス

他者のために行う役務

サービス・ドミナント・ロジック

すべての経済活動はサービスであり、「製品」とはサービスの構成要素の一部である、とする考え方

note:(関連語)サービスデザイン

サービスエコロジーマップ

UX(ユーザー体験)に影響を与え得る「状況」の相関関係を図示したもの

サービスデザイン

顧客価値の向上を目的として、サービスを構成する人員・設備・プロセスの全体を最適化する活動。サービスデザインにおいては、経済活動はすべてサービスとみなす

サービスブループリント

ユーザー側の視点で書かれるカスタマージャーニーマップに、サービス提供側の業務フロー図を合わせて図示したもの

サブタスク

タスクの作業内容を具体的に細分化したもの

note:タスクはサブタスクに分割可能である。またタスクは手順に分割可能である。サブタスクと手順の違いは具体性の度合いにある。手順は必ず特定のシステムやUI部位を前提とする。他方、サブタスクは特定のシステムやUI部位を前提としない。たとえばiOSアプリとAndroidアプリは同じサブタスクを実行できるが、手順は完全一致しない

三角ロジック

論理的主張は「主張」「データ」「解釈」の3つの要素によって構成される、とする考え方

note:論理的主張は「主張」と「根拠」で構成され、根拠は「データ」と「解釈」で構成される

note:解釈とは学術論文における「考察」のことである

note:実験観察や文献調査で得たデータはそのままでは根拠にならない。データの持つ意味が解釈されてはじめて根拠となる

note:解釈には解釈した者の主観が含まれる。解釈の正しさが疑われる場合は、解釈もまた主張とみなし、別の三角ロジックによって正しさを説明する

シカケ

問題解決につながる行動を誘発するシンプルな工夫で、且つ「シカケの3要件」を満たすもの

note:シカケの3要件…「目的の二重性」シカケる側とシカケられる側の目的が異なる/「誘引性」行動が誘われる/「公平性」誰も不利益を被らない

note:シカケは大阪大学大学院教授の松村真宏氏が2016年に著作「仕掛学」にて発表した概念

note:シカケは、ナッジと同様に、人間の心理的特性を利用して命令や強制なしに人間の行動をコントロールするものであるが、シカケではシンプルな構造の物理的実体(たとえば床に描かれた線やわずかに形状変更された既製品)による行動コントロールが推奨される

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

シグニフィア

わかりやすさを向上させるデザインテクニックのひとつ。製品サービスの意味や操作方法を詳しく文章で説明するのではなく、外見を通じてヒントだけを与える手法

note:シグニフィアの本来の意味は「意味提供性(製品サービスに備わる能力としての、意味や操作方法についてのヒントの伝え方の上手さ)」

note:たとえば人が机を見た時、人は机の形状寸法素材等から判断して(これは椅子ではないが座ることはできる)と洞察することができる。しかし、もしも机を極細の鉄パイプでつくり新聞紙で鉄部分を全て覆い隠せば、人は(新聞紙のような強度のない素材でつくった机には座れない)と誤解する可能性が高い。このように、製品サービスの外見には意味や操作方法を伝える能力が備わっている

note:(関連語)アナロジー、シグニフィア、制約フィードバックマッピング

自己効力感

行動すべきか否かを判断する状況において、自分にはその行動を成し遂げる能力があると信じること、またはその信じる度合い

note:「結果期待感 (その行動には成し遂げる価値があると信じる度合い)」「自己効力感 (自分にはその行動を成し遂げる能力があると信じる度合い)」の両方が高まることで、人は積極的に行動するようになる

note:自己効力感という概念の提唱者アルバート・バンデューラは、自己効力感を高める方法として「成功体験」「代理体験」「言語的説得」「生理的情動的高揚」の4つを挙げている。「成功体験」とは過去に類似の行動で成功したという対象者本人の体験、「代理体験」は他人の成功体験を観察や体験談で知ること、「言語的説得」は論理的な説明および信頼できる第三者からの応援、「生理的情動的高揚」とは精神的肉体的に好調な状態を指す

note:(関連語)結果期待感

シナリオ

<1>現状シナリオの略 <2>理想シナリオの略 <3>現状シナリオ理想シナリオとは連続するひとつながりの物語であるという解釈における両者の総称

note:システム工学でも「シナリオ」という言葉が用いられる。システム工学におけるシナリオは、ユーザーとシステムとの関わりを5W1Hで簡潔に表現したものである。システム工学における「シナリオ」は、UXデザインにおける理想シナリオに近いものだが、起承転結はなく心理描写もない

弱化

心理学の用語で、刺激によって行動の発生頻度が減ること(例:犯罪者に罰を与えることで再犯しなくなる)

note:行動の発生頻度を減らす刺激のことを弱化子と呼ぶ。「罰を与える」「叱る」などが典型的な弱化子である

note:結果として行動の発生頻度が減らない刺激は弱化子ではない。なにが弱化子になり得るかは対象者によって異なる

note:(関連語)強化

習慣

学習により後天的に獲得され、繰り返し行われた結果、比較的固定化するに至った反応様式(大辞林より)

note:習慣とは無意識の反応である

note:習慣化された行動には、発動するきっかけが存在する

note:習慣は反復行動で身につけることができる

習慣ループ

「きっかけ→行動→報酬」を繰り返すことで行動を習慣化できるとする理論(例:起床する→歯を磨く→爽快感を得る→ループを繰り返す→朝の歯磨きが習慣化する)

note:金銭に換算できないものも報酬になり得る。たとえば「褒める」という行為は報酬になり得る

note:報酬は、受け取る側が報酬と認識できるものだけが報酬である。仮に教育指導や健康指導で対象者に習慣を身に付けさせる必要があるとして、指導者の価値観で決めた報酬を対象者に押し付けても習慣は身に付かない

note:(関連語)強化代替報酬

商品

売買の対象となるもの

商品コンセプト

製品サービスの価値を簡潔な言葉で表現したもの

note:商品コンセプトは製品サービスの特徴を表現したものではない。たとえば「1920年代のアメリカンダイナーを模したレトロな雰囲気のカフェ」は特徴の説明であって商品コンセプトではない

note:商品コンセプトはキャッチフレーズとは別物である。キャッチフレーズとは消費者の関心を引くための短い印象的な文章のこと

商品コンセプトの3要素

「ターゲット(誰が)」「ベネフィット(なんのため)」「オケージョン(どんな状況で)」の3つ。製品サービスの価値を言葉で表現するために欠かせない3つの要素

note:UXデザインでは、「ターゲット」はペルソナ、「ベネフィット」はユーザーゴール、「オケージョン」は理想シナリオとして取り扱っている

上位下位関係分析

ユーザー調査結果を断片的なデータに分解し、ニーズの観点でグループ化・階層化することで、ニーズの全体構造を明らかにする分析手法

情報デザイン

効果的なコミュニケーションや問題解決のために、情報を整理したり、目的や意図を持った情報を受け手に対して分かりやすく伝達したり、操作性を高めたりするためのデザインの基礎知識や表現方法及びその技術(文科省学習指導要領解説の定義)

note:デザインは芸術ではない。デザインは必ずなんらかの問題解決を目的として行われる行為である。デザインにおいて見た目の美しさや格好良さは問題解決の手段のひとつに過ぎない

note:情報デザインの対象範囲はあらゆる製品サービスに及ぶ。「使う」という行為には必ず人と製品サービスとの間で情報のやり取りが生じるからである

note:情報デザインの技術とは、情報アーキテクチャUIデザイン、コンテンツ制作の技術の総合である

情報アーキテクチャ

情報をわかりやすく伝え、受け手が情報を探しやすくするために、情報を体系的に整理し配置する技術

note:たとえば書籍の「書誌情報」「章、節、見出し」「索引」は情報アーキテクチャの一例である

note:情報アーキテクチャはUIデザインとは異なる。どちらも情報をわかりやすく伝えるという目的があるが、情報アーキテクチャは情報の構造を対象とし、UIデザインはUIを対象とする

ジョブ

ジョブ理論の用語で、ある特定の状況でユーザーが成し遂げたい進捗

ジョブ理論

「購入」を「ジョブ(片付けるべき仕事)をこなすために製品サービスを雇うこと」と再解釈することで視座を転換し、製品サービスの改善やイノベーションの実現につなげる、ビジネスの方法論

note:「誰が」「何を」欲しているのか?ではなく、「なんのために」「どんな状況で」欲しているのか?に着目すべき、とするのがジョブ理論の趣旨。

note:UXデザインでは、「なんのために」はユーザーゴール、「どんな状況で」は現状シナリオとして取り扱っている

ステークホルダー

自身は製品サービスを利用しないが、利用する人物に強い影響を与える人物または利用する人物から強い影響を受ける人物

note:UX(ユーザー体験)の「ユーザー」とは、現行ユーザー想定ユーザーステークホルダーの総称である

ステークホルダーマップ

サービスに影響を与え得るステークホルダー(利害関係者)の相関関係を図示したもの

ストーリー

ユーザーストーリー

ストーリーボード

シナリオに挿絵を加えてわかりやすさを向上させたもの

note:4コマシナリオ(シナリオを4コマ漫画の形に要約したもの)のことをストーリーボードと呼ぶ場合がある

スプリント

イテレーション

スラッジ

ナッジを悪用し、サービス提供側が己に都合の良い行動(ユーザーにとっては己に不利な行動)をユーザーに取らせるよう誘導する行為

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

製品

原材料などを加工して製造されたもの

製品サービス

製品サービスの総称

制約

わかりやすさを向上させるデザインテクニックのひとつ。ユーザーの目標達成に無関係な操作をあらかじめ実行不可能または実行困難にしておく(例:押して開けるドアを引かないよう、ドアノブを無くす)

note:(関連語)アナロジーシグニフィア、制約、フィードバックマッピング

設計要件

ユーザー要求を満たすために実装すべき、製品サービスの機能や性能

セグメンテーション

マーケティングの用語で、市場をニーズの共通する顧客集団ごとに細分化すること

note:顧客集団のニーズが最初から判明しているわけではない。基本属性の似ている顧客はみな似たニーズを抱えているはずだという仮説の元に市場を細分化した後、ユーザー調査によって実際のニーズを探る

想定ユーザー

将来製品サービスを利用するだろうと想定される人物

note:UX(ユーザー体験)の「ユーザー」とは、現行ユーザー想定ユーザーステークホルダーの総称である

組織学習

経験を通じて組織(および組織を構成する個々人)の行動が環境に適用するよう変容すること

note:「工場において組立作業を繰り返すうちに作業員が熟練し組立所用時間が短くなる現象」「社会情勢の変化に素早く適応できた企業だけが淘汰を免れ存続する現象」はどちらも組織学習の成果が現れたと解釈する

note:行動の変容に至らずとも、組織ルーチン(組織内で共有された価値観、現状認識、制度、規則、等)が変容すれば、組織学習の成果が現れたと解釈する

note:組織学習を円滑に行うには、個々人の努力に頼るのではなく、個人の学習意欲を喚起する仕組みや個人の学習成果を組織で共有する仕組みが必要であるとされる

た行

ダークパターン

心理学的知見を悪用し、サービス提供側が己に都合の良い行動(ユーザーにとっては己に不利な行動)をユーザーに取らせるよう誘導するデザインの総称

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

ターゲティング

マーケティングの用語で、市場をニーズの共通する顧客集団ごとに細分化(セグメンテーション)した後、ビジネスターゲットとすべき顧客集団を選ぶこと

ターゲットユーザー

想定ユーザー

対応付け

マッピング

体験

実際に見聞きし行うこと、またはそれによって得た知識や技能

note:UXデザインにおいて「体験」という場合、実際には「体験談」のことを意味する場合が多い。体験とはあくまでも人の内心にあるものであり、体験談の形にしなければ第三者は当事者の体験を認識できないからである

note:体験談は、主人公の「行動」「状況」「心理」の3つの要素で構成される

note:体験談の主人公は基本的に語り手本人である。伝聞として体験談を語る場合は主人公は誰であるか(誰の語った体験談であるか)を明確にする必要がある

体験談

実際に自分の身に起きた出来事に関する話

note:UXデザインにおいて「体験」という場合、実際には「体験談」のことを意味する場合が多い。体験とはあくまでも人の内心にあるものであり、体験談の形にしなければ第三者は当事者の体験を認識できないからである

note:体験談は、主人公の「行動」「状況」「心理」の3つの要素で構成される

note:体験談の主人公は基本的に語り手本人である。伝聞として体験談を語る場合は主人公は誰であるか(誰の語った体験談であるか)を明確にする必要がある

代替報酬

行動を誘発するテクニックのひとつ。問題解決につながる行動ではあるが行動者本人には利益の無い/利益を実感できない行動を誘発させたい場合に、誘発のための報酬を別途用意し提供すること

note:たとえば歯磨きは歯の健康を維持するための行動だが、歯の健康は実感できない。歯磨き粉による爽快感という代替報酬が歯磨き行動を誘発している

note:(関連語)シカケ強化

対話的操作

ユーザーの操作に対してシステムが反応を返し、ユーザーがシステムの反応を参考にして次に行うべき操作を判断する、という一連の流れを繰り返しながら進行する操作

note:パソコンやスマートフォンの操作が対話的操作の典型である

note:システムが反応を返すよう意図的に設計していない場合は対話的操作と呼ばない。   たとえば「火にかけたヤカンの湯が沸騰すると湯気が立つ」という反応は自然現象であるので、ヤカンで湯を沸かす行為のことは対話的操作と呼ばない。   しかしながら「火にかけた笛吹ケトルの湯が沸騰すると笛が鳴る」という反応は意図的な設計の結果であるので、笛吹ケトルで湯を沸かす行為のことは対話的操作と呼んでよい

タスク

<1>UXデザインの用語「ユーザータスク」の略 <2>UXデザインの用語「評価タスク」の略 <3>設計業務において、設計者に割り振られる作業

note:タスクはサブタスクに分割可能である。またタスクは手順に分割可能である。サブタスクと手順の違いは具体性の度合いにある。手順は必ず特定のシステムやUI部位を前提とする。他方、サブタスクは特定のシステムやUI部位を前提としない。たとえばiOSアプリとAndroidアプリは同じサブタスクを実行できるが、手順は完全一致しない

タッチポイント

サービスデザインの用語で、サービス提供側とユーザーとの接点の総称。宣伝、店舗、店員、包装、製品自体、等

note:タッチポイントはユーザーのユーザーゴール達成を支援するために存在する

ダブルダイヤモンド

「正しい問題を見つけるための発散と収束」「正しい解決を見つけるための発散と収束」の2段階に分けてアイデアの発散と収束を行い課題解決につなげる、課題解決法

note:(関連語)デザイン思考

チャンク

人間が短期記憶として情報を記憶する際の情報のかたまりの単位

note:情報は、チャンクとしてひとまとめにすることで記憶しやすくなる。例えば数字10桁の乱数「0592307816」を人間の脳は10チャンクの情報として扱うが、そこにハイフンを2つ入れて「059-230-7816」とすると、人間の脳は3チャンクの情報として扱うようになり、記憶しやすくなる

note:(関連語)マジカルナンバーの法則

調査協力者

協力者

使いやすさ

ユーザビリティ

デザイン

<1>意匠 <2>設計 <3>デザイン思考に基づく問題解決行為

note:デザインは芸術ではない。デザインは必ずなんらかの問題解決を目的として行われる行為である。デザインにおいて見た目の美しさや格好良さは問題解決の手段のひとつに過ぎない

note:(関連語)デザイン思考

デザインの4つの基本原則

「近接・整列・反復・対比」の4つ。印刷物やウェブページなどのデザインにおいて、美観と情報伝達に優れた視覚的表現を実現するための基本的な約束事

note:「近接」 関連する要素同士を近くに配置する →関連性を理解しやすくなる

note:「整列」 要素の左端(または右端/中央/上端/下端)を整列させる →視線が誘導され情報を見つけやすくなる

note:「反復」 デザインルールを決めて繰り返し用いる →意味の類似性や操作方法の類似性を直感的に理解できるようになる

note:「対比」 伝えたい要素だけを強調し、他を抑制する →重要な情報を見つけやすくなる

デザイン経営

企業の産業競争力を強化するため、デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営手法

note:デザイン経営におけるデザインとは「デザイン思考に基づく問題解決行為」を指す

note:(関連語)デザイン思考サービスデザイン

デザイン思考

<1>デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動。いわゆる「デザイナー的な物の考え方」 <2>デザイナー的な物の考え方によってビジネス全般における「厄介な問題」を解決できる、とする思想

note:デザイン思考の作業工程は、人間中心設計と同様、ユーザー関与の原則と反復の原則に従う

note:スタンフォード大学d.schoolではデザイン思考を「共感・問題定義・創造・プロトタイプ・テスト」の5工程で表現しているが、d.schoolの5工程もやはり反復の原則を採用していることに注意。直線的で一方通行的な工程ではない

note:デザイン思考において重要な心得は「ユーザーへの共感」「アイデアは幅広く・数多く」「素早い反復」である。共感なしにユーザーの抱える真の解決すべき課題を発見することはできず、正解のない課題に対して最も正解に近い案を探すには案が多いほど有利であり、素早い反復がなければ限られた時間内に最も正解に近い案に到達することができない

デジタル改革

デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーション

最新のデジタル技術によって企業組織や社会体制を改革し、企業や社会の価値の最大化を図る活動

note:手作業や紙記帳を前提に組まれた古い業務プロセスを維持したまま個々の作業を個別に電子処理に置き換える活動は、デジタルトランスフォーメーションではない

note:たとえば、郵便料金が距離によらない定額制なのは事務作業を簡略化するためだが、もしも事務作業をすべて機械の全自動処理で行うことができれば、距離に応じた従量制の方が顧客に対して公平であるという判断が成り立つ。このようなデジタル技術を大前提とした新しい業務プロセスへの移行がデジタルトランスフォーメーションの大きな特徴である

デザイントークン

色・寸法・フォント・間隙・等の複数の設定値の組み合わせで構成された、デザインを構成する最小要素

note:デザイントークンを最小要素として扱うことで(決められた設定値の組み合わせを守ることで)、デザインの一貫性を保つことができる。

note:ウェブデザインにおいては、デザイントークンはCSSクラスの形で表現される。

note:(関連語)デザインの4つの基本原則反復

テスト協力者

協力者

デモグラフィック属性

基本属性

特性

品質特性

特徴分析

ユーザー調査結果から調査協力者個々の特徴を抽出し、選択回答式アンケート風に集計することで、典型的なユーザーの特徴を明らかにする分析手法

note:特徴分析の作業工程はほぼKJ法と同一である。「典型的なユーザーの特徴」というテーマでKJ法による分析を行い、KJ法の最後の工程である論文化工程にて、論文化の代わりに選択回答式アンケート風の集計を行う

note:特徴分析という言葉の代わりに、単に「KJ法」として紹介している参考書もある

な行

ナッジ

バイアス(人間に本能として備わる価値判断の偏り)を利用して人間の行動をコントロールするテクニック

note:ナッジはシカゴ大学教授リチャード・セイラー氏とハーバード大学教授キャス・サンスティーン氏が2008年に著作「Nudge」にて発表した概念

note:行動経済学によって示唆された「人間の経済行動は企業によってコントロール可能である」という思想を推し進め、具体的なテクニックとして体系化したもの。ただし発案者自身は政府の財政支出削減を意図して発案した

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

ナラティブ

<1>当事者の語る体験談 <2>ゲーム業界の用語で、ゲーム内体験の形でプレイヤーに提示される物語 <3>キャラクタービジネスの用語で、ファンの内心に想起されたそのキャラクターの物語 <4>マーケティングの用語で、誰がどのように語るかという演出を加味したビジネスメッセージ

note:ものづくりの現場ではユーザーの語るナラティブが重視され、医療現場では患者の語るナラティブが重視される

note:ゲームにおけるナラティブは、創作された物語であるにもかかわらず、プレイヤーはそれを己の実体験として認識する

note:キャラクターにおけるナラティブは"解釈"と俗称される。公式にはそのような物語は提示されていないにもかかわらず、ファンはその物語を"あり得るもの"として認識する

note:ソーシャルゲーム業界で一時期流行した「擬人化」は、擬人化対象物(軍艦や競走馬)をキャラクターとして捉えそのナラティブをゲームのキャラクターに反映させる試みである

ニーズ

理想と現実のギャップを解消したい心理

note:「ニーズ」はあいまいさや矛盾を含むが、「ユーザーゴール」は実現可能な目標として提示される

note:実務上の話としての「ユーザーゴール」は、ユーザーの内心にあるあいまいで矛盾したニーズを元に、サービス提供側が実現可能な目標としてユーザーに逆提案したものである

ニールセンの公式

ヒューリスティック評価の評価者の人数(またはユーザーテストのテスト協力者の人数)」と「発見できる問題の数」の関係性を示した式。どちらの場合も、5人いれば潜在する問題の85%を発見可能であるとする

note:ニールセンの公式は以下の数式で表現される「f(n)= N ( 1 - (1-L)^n ) 」。この数式において、f(n)発見できる問題の数、n人数、N潜在する問題の数、L潜在する問題の数のうちひとりだけで発見できる問題の数の比(実験的に求める)

note:ニールセンの公式はユーザビリティの研究者であるヤコブ・ニールセン氏とTom Landauer氏が1993年に発表した。両氏はLの値を実験的に求めた上で、5人いれば潜在する問題の85%を発見可能であるとし、6人以上の人員確保はコストパフォーマンスが悪いとした

ニールセンのユーザビリティ10原則

ユーザビリティの研究者であるヤコブ・ニールセン氏が1994年に発表したヒューリスティックス(使いやすさ原則)。複数の研究者がそれぞれ独自の研究成果をもとにヒューリスティックスを発表しているが、「ニールセンのユーザビリティ10原則」が最も普及している

note:10の原則は以下の通り 1.システム状態の視認性 2.システムと実世界の調和 3.ユーザーコントロールと自由度 4.一貫性と標準化 5.エラーの防止 6.記憶しなくとも見ればわかるように 7.柔軟性と効率性 8.美的で最小限のデザイン 9.ユーザーによるエラー認識・診断・回復をサポートする 10.ヘルプとマニュアル

note:ニールセンのユーザビリティ10原則には物理的な操作しやすさの概念がない。たとえば「小さすぎて押せないボタン」や「接着力が強すぎて剥がせないシール包装」は使いやすさに関する問題点だが、該当する原則がない

note:ニールセンのユーザビリティ10原則には目標達成しやすさの概念がない。たとえば「箸が付いてこないが、とても使いやすいカップラーメン自動販売機」は食べるという最終目標を達成できないシステムだが、該当する原則がない

note:ニールセンのユーザビリティ10原則は、一部の原則で表題と内容とに不一致がある。たとえば「エラーの防止」は実際には「深刻な操作ミスの防止」、「柔軟性と効率性」は実際には「多様なユーザーへの配慮」、「記憶しなくとも見ればわかるように」は実際には「記憶に頼らず操作できるように」である

note:(関連語)ユーザビリティ評価

二人羽織法

ユーザーテストにおいて、テスト協力者が進行役に一手順ずつ口頭で操作指示を出し、進行役が代理で評価対象物を操作することでテストを進めていくユーザーテスト手法

note:ユーザーテストでテスト協力者の内心を直接観察することはできないため、テスト協力者本人に内心を語ってもらうことで代替する。ただしテスト協力者の大多数は内心を語りながら操作をした経験がないので、発話を促すテクニックとして二人羽織法を用いる

note:(関連語)発話思考法

人間中心型AI

AIによって人間を代替するのでなく、人間の能力やUXを向上させることにAIを用いるべきとする思想、またはその思想に基づいて設計されたAI

note:人間中心型AIの研究では「人々や社会への倫理的な影響」も重要なテーマとされる。たとえば「絵の下手な人々の画力を向上させるために、著名な商業画家の画風を真似る営業妨害的なAIを作って良いのか」「従業員を解雇してAIに置き換えたい企業経営者の存在をどう扱うか」などである

人間中心設計

ユーザー関与」と「反復」を主な特徴とする、使いやすい製品サービスを実現するためのものづくりの方法論

note:人間中心設計は JIS Z 8530-2019「人間工学 - インタラクティブシステムの人間中心設計」としてJIS規格化されているが、人間中心設計はインタラクティブシステム以外にも適用可能な普遍的な方法論である

人間中心デザイン

「人間中心設計」の代用語。人間中心設計という言葉が JIS Z 8530-2019 という特定の産業規格を連想させるため、理念としての人間中心設計を強調するために敢えて人間中心デザインと言い換える場合がある

認知サイクル

人間の行動を、認知(見る・聞く)→判断(決める)→操作(行う)の繰り返しとして図式化したもの

note:日本の自動車教習所では「運転行動の3要素」として教えている

note:(関連語)行動設計行動モデル行為の7段階理論認知サイクルフォグの消費行動モデルAIDMA行動変容ステージモデル結果期待感自己効力感

認知的ウォークスルー

認知サイクルの理論に基づき、評価者が認知サイクルを意識しながら製品や試作品を操作して使いやすさの良否を判断するユーザビリティ評価手法

note:ユーザビリティ評価はユーザータスク単位で行うことを基本とする。「使いやすさとは目標達成しやすさのことであり、目標とはユーザータスクのことである」という考え方に基づく

認知・判断・操作

認知サイクル

ノーマンのよいデザインの原則

可視性メンタルモデルマッピングフィードバック」の4つ。認知心理学者ドナルド・ノーマンが著作「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論」にて提唱した、使いやすい製品サービスを実現するための基本的な約束事

note: 同著では「シグニフィア」「制約」の概念も紹介している

は行

パーセプション

マーケティングの用語で、製品サービスについてのユーザーの認識

note:たとえば「製品について全く知らない」「製品およびブランドに全幅の信頼を寄せている」など

note:ユーザー個々のパーセプションの状態に合わせて最適なマーケティング活動を選ぶことで、売上および顧客満足度の向上につながるとされる

パーセプションフロー

マーケティングの用語で、消費者の購買行動におけるパーセプション(製品サービスについてのユーザーの認識)の変化をフローチャート風に表現したもの、またはその手法

note:パーセプションフローはカスタマージャーニーマップとよく似ているが、パーセプションフローではユーザーの体験(行動・状況・心理)のうち、特にパーセプションの変化に重点を置いている

note:ユーザー個々のパーセプションの状態に合わせて最適なマーケティング活動を選ぶことで、売上および顧客満足度の向上につながるとされる

バイアス

人間に本能として備わる価値判断の偏り

note:たとえば、人間は損失懸念を過大評価して利益期待を過小評価する傾向がある。この結果、人間は「100円の商品に100円支払うのは損だ」といった非合理的な判断に陥ることがある。「返品OK」というセールストークが魅力的に感じられるのはこの傾向のせいである

パイプライン

CI/CDパイプライン

発話思考法

ユーザーテストにおいて、テスト協力者が評価対象物を操作しつつ、操作の各手順ごとに感じた印象や予想した次の手順について語ることでテストを進めていくユーザーテスト手法

note:ユーザーテストでテスト協力者の内心を直接観察することはできないため、テスト協力者本人に内心を語ってもらうことで代替する

note:(関連語)二人羽織法

ハビットループ

習慣ループ

バリュー

コアバリューの略。製品サービスユーザーに提供する本質的な価値

バリュー記述

ユーザーゴール記述

反復

<1>人間中心設計の用語で、設計解決案がユーザー要求を満たすまで適切な設計工程まで戻って設計活動を繰り返すこと <2>アジャイル開発の用語で、「イテレーション」の日本語訳 <3>デザインの4つの基本原則のひとつで、デザインルールを決めて繰り返し用いること

note:「適切な設計工程まで戻る」とは、ユーザー要求定義や商品企画の工程まで戻ることを含む

半構造化インタビュー

事前に大まかな質問事項を決めておき、回答者の答えに応じて臨機応変に追加質問をするインタビュー手法

ヒアリング

あるテーマについて当事者や関係者に意見を聞くこと

非機能要求

ユーザー要求のうち機能以外に関する要求

note:IPAでは非機能要求を「可用性」「性能・拡張性」「運用・保守性」「移行性」「セキュリティ」「システム環境・エコロジー」の6つに大分類している

note:要求要件も英語ではrequirementである。日本語では「要求=ユーザーの要求したもの」「要件=設計者が技術的合理性を勘案して要求を再定義したもの」の意味合いで使い分ける

note:(関連語)機能要求ユーザー要求

非構造化インタビュー

回答者の普段意識していない考えを引き出すことを目的に、質問内容を特に定めずに行うインタビュー手法

ヒックの法則

「選択肢の数」と「意思決定に要する時間」の関係性を示した法則。意思決定に要する時間は選択肢の数の二進対数に比例する

note:ヒックの法則は以下の数式で表現される「RT= a + b × log2(n)」。この数式において、RT意思決定に要する時間、n選択肢の数、a実験的に求める意思決定以外に要する時間、b実験的に求める意思決定に要する平均時間、log2()は2を底とする対数

note:ヒックの法則は、選択肢が2倍に増えても意思決定に要する時間は2倍未満にとどまることを意味する。しかしながら、選択肢が増えすぎると選択する意欲が失せるという別の問題が生じる

note:ヒックの法則は、選択肢がアルファベット順や五十音順で整然と並んでいる場合のみ適用される。無秩序に並べられた場合は適用できない。

note:カード、モラン、ネウェルらの研究では「RT= a + b × log2(n+1)」が適切だとしている

ヒューマンエラー

意図しない結果を生じる人間の行為(JIS Z8115:2000による定義)

note:人間の努力だけでヒューマンエラーを100%防止することは不可能であるとされ、システム全体としてのヒューマンエラー防止策が必要とされる。また、一つの対策だけでヒューマンエラーを100%防止することは不可能であるとされ、複数の対策の重ね合わせによるヒューマンエラー防止策が必要とされる。

ヒューリスティックス (使いやすさ原則)

使いやすい製品サービスが普遍的に持つ特徴を10ヶ条程度の原則としてまとめたもの。複数の研究者がそれぞれ独自の研究成果をもとにヒューリスティックスを発表しているが、「ニールセンのユーザビリティ10原則」が最も普及している

ヒューリスティック評価

評価者が製品や試作品を試用し、ヒューリスティックス(使いやすさ原則)に基づいて使いやすさの良否を判断するユーザビリティ評価手法

note:ヒューリスティック評価は、「原則違反であるか否か」だけを基準にして使いやすさの良否を判断するため、初心者でも比較的実施しやすい

note:他方、ヒューリスティック評価には、ユーザーにとって重要でない軽微な問題を大量に発見してしまうという欠点がある

note:ユーザビリティ評価はユーザータスク単位で行うことを基本とする。「使いやすさとは目標達成しやすさのことであり、目標とはユーザータスクのことである」という考え方に基づく

評価

品質評価 →ユーザビリティ評価

評価協力者

協力者

評価グリッド法

人の内心にある物事の評価基準を、評価構造図を用いて明らかにする分析手法。情緒的価値・機能的価値・製品評価の三階層に分類整理する

note:評価構造の例) [情緒的価値]おしゃれな人だと思われたい [機能的価値]高級感がある [製品評価]素材の質感

note:既存製品の評価でなく、まだ存在しない製品サービスへの期待や願望を評価構造図で表すこともできる

note:「評価グリッド法」は発案者讃井純一郎氏の登録商標

評価タスク

「ユーザビリティ評価の対象とするユーザータスク」の略

note:ユーザビリティ評価はユーザータスク単位で行うことを基本とする。「使いやすさとは目標達成しやすさのことであり、目標とはユーザータスクのことである」という考え方に基づく

品質

本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度(JIS Q 9000の定義)

note:品質の定義における「要求」とはユーザー要求のことである。経営者から出された自社製品サービスへの要求(たとえば予算や日程)は管理されるべきビジネス上の重要指標だが、品質の定義からは外れる

note:サービス提供側が己に都合の良い方向にユーザーの心理や行動を誘導する目的でUXをデザインする場合がある。どの程度実際に誘導されるかは管理されるべきビジネス上の重要指標だが、品質の定義からは外れる

品質特性

品質を構成する要素。機能性、信頼性、安全性、耐久性、等

品質評価

品質特性を測定し、数値目標に達しているかどうかを確認する作業

フィーチャー

ユーザー機能駆動開発の用語で、ユーザーにとって価値のある小さな機能のかたまり

note:基本設計単位としての機能が複数組み合わさってフィーチャーとなる。たとえばExcelの関数はひとつひとつが機能だが、セルに式を入力すると計算結果が表示される表計算UIと合わせて提供されなければユーザーにとっては無価値である

note:フィーチャーは「AのBをCする」の形で表現する

note:ひとつのフィーチャーには必ずひとつの価値がある

note:システム工学においては、フィーチャーはユースケースの下位要素として扱われる。ユースケースを実現するにはひとつ以上のフィーチャーが必要であり、ひとつのフィーチャーは複数のユースケースで利用される

フィードバック

わかりやすさを向上させるデザインテクニックのひとつ。ユーザー操作に対するシステム側の変化を表示や音でユーザーに伝える(例:ドアに鍵をかけると、かんぬきのうごく音と手応えが伝わる)

note:(関連語)アナロジーシグニフィア制約、フィードバック、マッピング

フィッツの法則

「(マウス操作等による)ポインタの移動時間」「ポインタの移動距離」「ターゲットの大きさ」の関係性を示した法則。ポインタ移動時間は移動距離の二進対数に比例し、ターゲットの大きさの逆数の二進対数に比例する

note:フィッツの法則は以下の数式で表現される「T= a + b × log2(D/W + 1)」。この数式において、T移動時間、D移動距離、Wターゲットの大きさ(移動ベクトルと直行する幅)、a実験的に求めるポインタ移動とポインタ停止に要する時間、b実験的に求めるポインタ移動速度、log2()は2を底とする対数

note:フィッツは式を「T= a + b × log2(2D/W)」としていたが、のちにスコット・マッケンジーにより「T= a + b × log2(D/W + 1)」の方が適切とされた

note:フィッツの法則は、ポインタ移動距離が2倍に増えてもポインタ移動時間は2倍未満にとどまることを意味する。しかしながら、移動距離が長すぎると腕が疲れるという別の問題が生じる

ブースト

人の技能と知識を向上させ人の意思決定能力を育てることで人の行動変容を促すアプローチ

note:ブーストは、ナッジと併用して用いる、または状況に応じて使い分ける

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

フェーズ理論

安全人間工学の用語で、人間の意識にはフェーズ0〜4までの5つの状態があり、危険予測などの積極的な注意力はフェーズ3状態の際にもっとも強く発揮されるとする理論

note:「フェーズ4」パニック、激昂 「フェーズ3」緊張 「フェーズ2」リラックス 「フェーズ1」漫然、疲労 「フェーズ0」睡眠、気絶

note:工事現場や鉄道現場で実践される「指差呼称」は意図的に意識状態をフェーズ2から3に持ち上げる行為である

フォーカスグループインタビュー

あるテーマに対して6〜8名程度のグループで討論してもらうインタビュー手法

フォグの消費行動モデル

人が行動を起こすに至る条件を「Motivation(動機)」「Ability(実行能力)」「Trigger(きっかけ)」の3要素で模式化したもの

note:(関連語)行動設計行動モデル行為の7段階理論認知サイクルフォグの消費行動モデルAIDMA行動変容ステージモデル結果期待感自己効力感

ブランド

消費者が企業や製品サービスについて想起する印象の総体、またはそれを象徴する記号やデザイン

プロトタイピング

品質評価に用いるための試作物を作成する作業

プロトタイプ

品質評価に用いるための試作品

note:UXデザインにおいては、ユーザビリティ評価の評価対象物として使用可能なものはすべてプロトタイプとみなす。極端に忠実度の低い「紙芝居的なプロトタイプ(Low-fidelity prototype)」であってもよく、また、理想シナリオもユーザビリティ評価の評価対象物として使用可能であるのでプロトタイプの一種とみなすことができる

ベネフィット

バリュー

ペーパープロトタイプ

ユーザビリティ評価に用いる試作品を紙にペンで手書きして作成したもの、またはその手法

[参考資料] https://www.youtube.com/watch?v=GrV2SZuRPv0 Hanmail Paper Prototype UX (User Exprience) This video is paper-based prototype for Daum's web mail service, Hanmail .net made by Ajax.

ペルソナ

典型的なユーザーの特徴を架空の個人として表現したもの、またはその手法

note:典型的なユーザーの特徴は、ユーザー調査結果を元に特徴分析を行うことで明らかにする。仮説としてユーザー調査なしにペルソナを作る場合もあるが、その場合であっても仮説検証のためのユーザー調査を後日行う

note:典型的なユーザーの特徴を100%身につけた個人は確率的に存在し得ないといって良い。単なる思い込みで特定の個人や少数の人物を典型だと見なすと事実を誤認する

note:ペルソナは、特徴分析の結果をわかりやすく表現したものである。正確性を確保するためにはユーザー調査報告書が別途必要である

note:ペルソナは、現状シナリオおよび理想シナリオを作成する際に、主人公として扱われる

note:(関連語)ユーザーロールアクター

ペルソナ/シナリオ法

UXデザインにおけるユーザー要求を定義する作業

note:ペルソナ/シナリオ法は、前半作業「ユーザーモデリング」と後半作業「理想シナリオ」に大きく二分される

note:ユーザーモデリングの代表的な手法は、「ペルソナ」「現状シナリオ」「カスタマージャーニーマップ」の3つである

note:UXデザインでは、ユーザー要求理想シナリオの記述から考察して得る。ユーザー調査結果から直接得るものではない

ま行

マジカルナンバーの法則

人間の短期記憶に関する原則。人間の短期記憶として記憶可能なチャンク(情報のかたまり)の数量は4±1とする

note:マジカルナンバーを最初に発表した1956年にジョージ・ミラーは実験結果を元にマジカルナンバーを7±2だとした。その後、2001年のネルソン・コーワンの研究ではマジカルナンバーは4±1だとされた

note:(関連語)チャンク

マッピング

わかりやすさを向上させるデザインテクニックのひとつ。操作部位の動きと操作される部位の動きとを相似させる、または操作部位の配置と操作される部位の配置とを相似させる

note:動きの相似の例:ハンドルを右に回すと、自動車が右に曲がる

note:配置の相似の例:右端のスイッチを押すと、右端の照明が点灯する

note:「正しいマッピング」についてこれが正解だと断言できるものがなくユーザビリティ評価の結果を元に仕様決定しなければならない場合がある。 たとえば、パソコンの画面UI要素「スクロールつまみ」は、つまみを下に動かすとコンテンツは上に動く。これはUI開発初期にユーザビリティ評価を行なった結果として、「スクロールつまみは、スクロール(巻物)の表面に取り付けられたつまみではなく、コンテンツ全体における現在の位置を示す目印である」と認識する人の方が多かったためである

note:(関連語)アナロジーシグニフィア制約フィードバック、マッピング

メンタルモデル

ユーザーの内心にある想像上のシステムの仕組み

note:ユーザーは「この製品はこのような仕組みのはずだから、このように操作するのが正しいはずだ」という先入観の元に操作を試みる

note:たとえば、映画「スタートレック4 故郷への長い道」では音声入力式のコンピュータしか知らない23世紀人が1986年にタイムトラベルしてパソコンのマウスをマイクだと思い込むシーンがある。映画ほど極端な例でなくとも、間違った先入観による操作ミスは実際に起こり得る

note:使いやすい製品サービスであるためには、UIデザインによってユーザーに「適切なメンタルモデル」を提供する必要がある

note:「適切なメンタルモデル」とは、ユーザーが製品サービスを使いこなせるようになるメンタルモデルのことである。使いこなせるようになるのであれば全く事実に反するモデルであっても良い

メンタルモデルダイアグラム

問題解決行動についてのメンタルモデル(このように行動すれば解決できるはずだという先入観)を模式化した図、またはその分析手法

note:横軸にゴールと大雑把なタスク、縦軸上方向に具体的なサブタスク、縦軸下方向にサブタスク達成を支援するために提供されている機能をマッピングする。支援の提供されていないサブタスクもある

目的

ユーザーゴール

目標

ユーザーゴール

モビリティ・マネジメント

渋滞や環境、あるいは個人の健康等の問題に配慮して、過度に自動車に頼る状態から公共交通や自転車などを『かしこく』使う方向へと自発的に転換することを促す、一般の人々や様々な組織・地域を対象としたコミュニケーションを中心とした持続的な一連の取り組み(日本モビリティ・マネジメント会議による定義)

note:モビリティ・マネジメントでは、ハード対策、システム対策と同等の重要な対策として「公衆コミュニケーション」(ナッジテクニックを用いた行動変容の誘発)を挙げている。

note:(関連語)行動モデル行動経済学行動中心設計行動デザインシカケスラッジダークパターンナッジブースト

や行

ヤコブ・ニールセンの公式

ニールセンの公式

ユーザー

製品サービスを利用する人

note:UX(ユーザー体験)の「ユーザー」とは、現行ユーザー想定ユーザーステークホルダーの総称である

ユーザーインターフェース

人間と機械とが情報をやりとりするために設けられた部位。ボタン、アイコン、メニュー、ダイアログ、等

note:いわゆる「画面」だけがユーザーインターフェースでないことに注意

ユーザーゴール

ユーザー製品サービスを用いて成し遂げたい大きな目標

note:ユーザーゴールとユーザータスクは、大目標と中間目標の関係にあり、両者をまとめて「目標」と呼ぶ場合がある。

note:「ニーズ」はあいまいさや矛盾を含むが、「ユーザーゴール」は実現可能な目標である

note:実務上の話としての「ユーザーゴール」は、ユーザーの内心にあるあいまいで矛盾したニーズを元にしてサービス提供側が実現可能な目標としてユーザーに逆提案したものである。結果として、ユーザーゴールは「バリュー」と一致する

ユーザーゴール記述

構造化された理想シナリオにおける、ユーザー製品サービスを用いて成し遂げたい大きな目標についての記述

note:実務上の話としての「ユーザーゴール」は、ユーザーの内心にあるあいまいで矛盾したニーズを元にしてサービス提供側が実現可能な目標としてユーザーに逆提案したものである。結果として、ユーザーゴールは「バリュー」と一致する

ユーザー関与

人間中心設計の用語で、ユーザーの協力を得て設計活動を行うこと

note:具体的には、ユーザー調査ユーザビリティ評価の工程でユーザーの協力を得る

ユーザーストーリー

アジャイル開発の用語で、ユーザーの視点からフィーチャーの概要を記述したもの

note:ユーザーストーリーは「<ユーザーロール>としてのユーザーは<フィーチャー>が欲しい。それは<価値>のためだ」の形で表現する

note:フィーチャーの定義は「ユーザーにとって価値のある小さな機能のかたまり」であるにもかかわらず、フィーチャーは「AのBをCする」の形で表現するとされている。これでは誰がどのような価値を得たいがためにフィーチャーを要求しているのかわからない。ユーザーストーリーはこの問題を改善している

ユーザーストーリーマッピング

アジャイル開発の用語で、ユーザーストーリーを「ユーザーはこの順序で使うであろうと予想される順」に横一列にならべ、さらに各ユーザーストーリーごとに必要な機能を考察して開発優先度の高い順に縦に並べて整理したもの、またはその手法

note:UXデザインにおけるユーザータスク は、アジャイル開発のユーザーストーリーマッピング手法におけるアクティビティ階層(実装手段を特定しない形で表現された機能要求)として扱うことができる

ユーザー体験

UX

ユーザータスク

ユーザーユーザーゴール達成のために製品サービスを用いて行わなければならない作業

note:UXデザインにおいては、ユーザータスク理想シナリオ (アクティビティ記述)の描写から考察して得る

note:製品サービスを用いて行う作業だけがユーザータスクである。

ただし、ユーザータスクの準備として製品サービスを用いない作業が発生することはあり得る。そのような作業はユーザータスクの具体的手順の一部と解釈する(例:電車に乗るために駅まで歩く)(例:食事の前に手を洗う)

note:ユーザーゴールユーザータスクは、大目標と中間目標の関係にあり、両者をまとめて「目標」と呼ぶ場合がある。

note:タスクはサブタスクに分割可能である。またタスクは手順に分割可能である。サブタスクと手順の違いは具体性の度合いにある。手順は必ず特定のシステムやUI部位を前提とする。他方、サブタスクは特定のシステムやUI部位を前提としない。たとえばiOSアプリとAndroidアプリは同じサブタスクを実行できるが、手順は完全一致しない

note:UXデザインにおけるユーザータスクおよびそれに付随するインタラクション記述は、システム工学におけるユースケースと同じものとみなして扱うことができる

note:UXデザインにおけるユーザータスク は、アジャイル開発のユーザーストーリーマッピング手法におけるアクティビティ階層として扱うことができる

ユーザー中心設計

「人間中心設計(human-centered design)」の代用語。人間中心という言葉が人間中心主義(anthropocentrism, 人間がもっとも進化した存在であり自然環境は人間が利用するための下等な存在であるとする思想)を連想させるため使用を避ける場合がある

ユーザー調査

ユーザー基本属性・過去/現在の体験利用文脈を把握する作業

note:UXデザインにおける代表的なユーザー調査手法は「観察」「インタビュー」「アンケート」の3つ

ユーザーテスト

ユーザー製品や試作品を試用する様子を観察することで、UXの良否を判断するユーザビリティ評価手法

note:ユーザビリティ評価はユーザータスク単位で行うことを基本とする。「使いやすさとは目標達成しやすさのことであり、目標とはユーザータスクのことである」という考え方に基づく

ユーザーフロー

インタラクション記述

ユーザーモデリング

ユーザー調査で得た典型的なユーザー基本属性・過去/現在の体験利用文脈を図表でわかりやすく表現する作業。ペルソナシナリオカスタマージャーニーマップ、等

note:ユーザー調査なしに仮説としてのユーザーモデリングを行うことがあるが、その場合であっても、後から仮説検証のためのユーザー調査を行う

ユーザー要求

ユーザーの目標達成のためにユーザーが必要とする、製品サービスの条件

note:UXデザインでは、ユーザー要求は理想シナリオの記述から考察して得る。ユーザー調査結果から直接得るものではない

note:ユーザー要求はユーザータスクに対する要求として記述される。ユーザータスクも理想シナリオの記述から考察して得る

note:ひとつのユーザータスクからはひとつ以上のユーザー要求が発生する。まず機能要求として「ユーザーはこの製品サービスを用いて、ユーザータスク〇〇を達成できること」が発生し、さらに非機能要求として「ユーザーはこの製品サービスを用いて、追加条件〇〇の元で、ユーザータスク〇〇を達成できること」が発生する

note:例) ユーザータスク「メッセージを送信する」  ↓ 機能要求「メッセージを送信できること」  ↓ 非機能要求「電車移動中にメッセージを送信できること」 非機能要求「片手操作でメッセージを送信できること」 非機能要求「音を出さず周囲の乗客に迷惑をかけずにメッセージを送信できること」

note:まれに、ユーザー要求がユーザーゴールに対する要求としてしか記述できないことがある。そのような場合はそのままユーザーゴールに対する要求として記述する。ユーザーゴールユーザータスクは大目標と中間目標の関係にある

ユーザーロール

アジャイル開発の用語で、製品サービスとの関わり方の違いによって分類されたユーザーの属性。たとえば業務用ITシステムのユーザーは「現場担当者」、「現場監督者」、「IT管理者」、「経営者」、等に分類できる

note:ユーザーロールはペルソナに類似した概念であるが、さも実在の人物であるかのような表現はユーザーロールでは必須ではない

note:ペルソナと同様に、ひとつの製品サービスにはひとつ以上のユーザーロールが存在し得る

note:ペルソナと同様に、ひとつのユーザーロールにはひとつのユーザーゴールがある

note:(関連語)ペルソナアクター

ユーザビリティ

ある製品が、指定された利用者によって、指定された利用の状況下で、指定された目的を達成するために用いられる際の、有効さ、効率及び利用者の満足度の度合い(JIS Z 8521の定義)

note:ユーザビリティは品質特性のひとつであり、品質管理の対象である

note:品質特性としてのユーザビリティは、ISO/IEC 25010では「利用品質」としてさらに詳細に定義されている

ユーザビリティ評価

UX(ユーザー体験)の品質を評価する作業

note:ユーザビリティ評価とは本来は使いやすさの品質を評価する作業を指す言葉だが、ユーザビリティ評価の手法はUXの品質を評価する作業に流用できるため、UXの品質を評価する作業のこともユーザビリティ評価と呼ぶ

note:ユーザビリティ評価はユーザータスク単位で行うことを基本とする。「使いやすさとは目標達成しやすさのことであり、目標とはユーザータスクのことである」という考え方に基づく

ユースケース

システム工学の用語で、ユーザーの目標達成のためにユーザーとシステムとの間で交わされるやりとりを表現したもの

note:ひとつのシステムにはひとつ以上のユースケースがある

note:各ユースケースの名称は、「ユーザー情報を登録する」「購入履歴を検索する」等の、ユーザーを主語として書かれた簡潔で平易な短文の形で記述する

note:各ユースケースごとに、ユーザーとシステムとの間で交わされる具体的なやりとりを考察し、ユースケース記述として記述する

note:UXデザインにおけるユーザータスクおよびそれに付随するインタラクション記述は、システム工学におけるユースケースと同じものとみなして扱うことができる

ユースケース記述

システム工学の用語で、個々のユースケースにおけるユーザーとシステムとの間で交わされるやりとりの具体的な記述

note:決まった記述方法はないが、一般的には「ユースケース名」「ユーザー(アクター)」「事前の状態」「手順」「例外処理の手順」「事後の状態」を記述する

note:UXデザインにおけるユーザータスクおよびそれに付随するインタラクション記述は、システム工学におけるユースケースと同じものとみなして扱うことができる

ユースケース図

システム工学の用語で、システムにおけるユーザーとユースケースの全体像を図示したもの

note:一般的には、ユースケース図はUML(統一モデリング言語)で定義されたユースケース図記法に従って作図する

よいデザインの原則

ノーマンのよいデザインの原則

要求

ユーザー要求

note:要求も要件も英語ではrequirementである。日本語では「要求=ユーザーの要求したもの」「要件=設計者が技術的合理性を勘案して要求を再定義したもの」の意味合いで使い分ける

ユニバーサルデザイン

年齢・性別・文化の違い・障害の有無によらず、できるだけ多くの人が利用可能であることを目指した設計

note:ユニバーサルデザインの概念は、1985年にノースカロライナ州立大学のロナルド・メイスが提唱した。当時、バリアフリーという言葉が「既存の建築物から物理的障害物を除去する活動」だと解釈されたことから、あらゆる意味でのバリアが最初から存在しない製品サービスをつくるべきという理念を明確にするためにユニバーサルデザインという言葉を用いた。

note:ノースカロライナ州立大学ユニバーサルデザインセンターによるユニバーサルデザインの7原則は以下の通り: Equitable use (公平な利用) Flexibility in use (利用における柔軟性) Simple and intuitive (単純で直感的な利用) Perceptible information (認知できる情報) Tolerance for error (うっかりミスの許容) Low physical effort (少ない身体的な努力) Size and space for approach and use (接近や利用のためのサイズと空間)

note:ユニバーサルデザインは可能な限り万人が使える製品サービスを目指す。他方、類似の概念であるインクルーシブデザインでは障害者専用の製品サービスの開発も対象とする。ただし、どちらの理念を採用しても結果として同じものが完成することはあり得る

note:ユニバーサルデザインでは、開発工程における排除当事者の関与(ユーザー関与)を必須としていない。他方、類似の概念であるインクルーシブデザインユーザー関与を必須とする。ただし、どちらの理念を採用しても結果として同じものが完成することはあり得る

要件

設計要件

note:要求も要件も英語ではrequirementである。日本語では「要求=ユーザーの要求したもの」「要件=設計者が技術的合理性を勘案して要求を再定義したもの」の意味合いで使い分ける

ら行

利害関係者

ステークホルダー

理想シナリオ

ユーザーに提供したい理想的な体験(行動・状況・心理)を短編小説風に表現したもの、またはその手法

note:UXデザインでは、ユーザー要求は理想シナリオの記述から考察して得る。ユーザー調査結果から直接得るものではない

note:理想シナリオは現状シナリオの続編として書かれるものであり、現状シナリオで用いられた物語設定は理想シナリオでもそのまま維持される。現状シナリオの物語設定はユーザー調査で得た事実に基づく

note:(関連語)現状シナリオ

理想シナリオの構造化

理想シナリオの記述を整理して読みやすくするためのテクニック。バリュー記述アクティビティ記述インタラクション記述の3つの記述に分けて整理する

利用状況

利用文脈

利用品質

特定の利用者が特定の利用状況において、有効性・効率性・リスク回避性及び満足性に関して特定の目標を達成するためのニーズを満たすために、製品又はシステムを利用できる度合い(ISO/IEC 25010の定義)

利用文脈

製品サービス以外でUX(ユーザー体験)に影響を与え得る要因の総称

廊下テスト

ユーザーテストの派生的手法のひとつ。無作為に選んだ評価協力者にごく短時間の評価協力を依頼して(可能ならその場で)行うユーザーテスト手法。

note:「廊下テスト」の名前は、発案者が自社の廊下を行き交う他部署の従業員達に無作為に声をかけて協力を依頼したことに由来する

note:一般的なユーザーテストでは想定対象ユーザーに近い属性を持つ人物を集め評価計画を厳密に立てた後にテストを行う。対して、廊下テストは実施の容易さを優先し、属性には拘らない

note:廊下テストで既存のユーザーテストすべてを代替することはできない。廊下テストは「誰でも簡単に使いこなせるか否か」を検証するには適しているが、想定対象ユーザー固有の問題は発見できない

ロジックモデル

事業が成果を上げるために必要な要素を体系的に図示したもの

note:事業は「インプット」「活動」「アウトプット」「アウトカム」の4つの要素で構成され、ロジックモデルは各要素を矢印線でつなげたツリー型で表現される

note:事業を構成する4つの要素…「インプット」 事業を実施するために必要な資金や人材等の資源(いわゆるヒト・モノ・カネ)/「活動」 事業を通じて提供される製品サービスを生み出すための具体的な事業活動/「アウトプット」 事業を通じて提供される製品サービス/「アウトカム」 事業のアウトプットがもたらす変化、便益、学び、その他効果

note:UXデザインでは、ユーザーに提供したい理想的な体験がアウトカムに相当する

わ行

(なし)

付録:UXデザインについての簡単な解説

UXデザインとは

UXデザインとは、まずユーザーに提供したい体験を定め、その手段として製品サービスを設計する、ものづくりの方法論のことです。そしてUX(ユーザー体験)とは、製品サービスの使用に関する体験のことです。

UXデザインと一般的なものづくりとの違い

UXデザインを実践するとは、下記4つの作業を既存の制作工程に追加することです。あくまでも追加であり大幅に制作工程が変わるわけではありません。

違い
  • 「ペルソナ/シナリオ法」によるユーザー要求の定義
  • 「ユーザー調査」による深いユーザー理解
  • 「ユーザビリティ評価」によるUX品質の評価
  • 「反復の原則」の実践

「ペルソナ/シナリオ法」によるユーザー要求の定義

「ペルソナ/シナリオ法」とは、UXデザインにおけるユーザー要求を定義する作業のことです。

一般的なものづくりでは、ユーザーが「これが欲しい」と発言した条件をそのままユーザー要求としてしまいがちですが、UXデザインでは異なるアプローチを取ります。

UXデザインでは、「理想シナリオ」の記述を元に、ユーザー要求を定義します。「理想シナリオ」とは、ユーザーに提供したい理想的な体験(行動・状況・心理)を短編小説風に表現したもの、またはその手法のことです。

UXデザインでは、理想シナリオに書かれている理想を実現するために必要な製品サービスの条件こそがユーザー要求である、という立場を取ります。

「ユーザー調査」による深いユーザー理解

理想を描くには、まず現実を知る必要があります。そこでUXデザインでは、ユーザーが過去または現在にどのような体験をしているかを調べることを重視します。たとえば、適切な道具がなく苦労した体験や、旧式製品のささいな欠陥によって苦労した体験などです。

ユーザー調査の手法として「インタビュー(ユーザーに体験談を語ってもらう)」および「観察(観察者がユーザーと一緒に体験する)」があります。

また、開発チーム全員がユーザーについての共通理解を得るために、ユーザー調査結果のわかりやすいまとめとして「ペルソナ」や「カスタマージャーニーマップ」を作成します。

「ユーザビリティ評価」によるUX品質の評価

UXデザインでは、UXの品質はユーザーの内心の評価基準でしか評価できない、という立場に立ちます。

「ユーザビリティ評価」とは、ユーザーの内心の評価基準で品質を評価する手法の総称です。使いやすさ品質がユーザーの内心の評価基準でしか評価できない典型例であるため「ユーザビリティ評価」と呼ばれますが、UXの良否もユーザビリティ評価で評価できます。

「反復の原則」の実践

UXデザインでは、企画書や設計仕様書は仮説であり検証されるべきである、という立場に立ちます。

UXデザインの「反復の原則」とは、単なる試作と評価のくりかえしでなく、必要に応じて仕様書や企画書の作り直しまで戻ることを意味します。

以上